看護師国家試験の勉強法【社会人が合格するためにやったこと】


2月の国家試験に合格したとき、最初に思ったのは「解放された」という気持ちでした。

試験勉強からの解放。実習からの解放。長かった学生生活からの解放。

私は39歳で看護師国家試験を受けました。介護福祉士として老健で6年働いたあと、准看護師学校、正看護師学校と進み、30代後半でようやくたどり着いた試験です。

在学中には子どもも生まれました。試験の約1ヶ月前のことです。

決して余裕のある状況ではありませんでした。でも、合格できました。

この記事では、社会人として国家試験に挑んだ私が、実際にやった勉強法を書きます。華やかな話ではありません。でも、今まさに同じ立場で悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

使ってよかった教材

レビューブック(メディックメディア)

国試対策の中心に置いていたのが、『看護師・看護学生のためのレビューブック』です。

必要な情報がシンプルにまとまっていて、しかも網羅されている。イラストも分かりやすく、繰り返し読むのに向いています。

私は何周もやり込みました。クラスメートの中には、インデックスや付箋でぎっしりになった子もいました。それくらい、この一冊を軸に勉強している人が多かったです。

見えるシリーズ(メディックメディア)

レビューブックで理解しきれなかったところを補うのに使っていたのが、同じメディックメディアの「病気がみえる」シリーズです。循環器から小児科まで、より詳しく解説されていて、いざというときの強い味方でした。

レビューブックとセットで手元に置いておくと安心です。

問題集・アプリ

学校の先生が配布してくれる問題は、繰り返し解きました。定番の問題集としては『クエスチョン・バンク』を使っている人も多く、過去問演習には欠かせない一冊です。

アプリも活用しました。隙間時間に数問解けるので、移動中や休憩中にちょうどよかったです。国試対策アプリはいくつか出ていますので、自分に合うものを探してみてください。

YouTube

意外と見落とされがちですが、YouTubeも使いました。テキストで読むだけではイメージしにくい内容も、動画で見ると一気に理解できることがあります。無料で使えて、何度でも繰り返せる。社会人学生の隙間時間にもフィットします。

国試対策に特化したチャンネルも複数あります。苦手な分野をピンポイントで調べる使い方が、特におすすめです。

今の受験生へ:AIという新しい武器

私が国試を受けた頃、AIはまだほとんど普及していませんでした。

でも、もし今の私が現役生だったら、間違いなくAIを学習に活用します。

分からないことをその場で質問できて、何度聞いても嫌な顔をされない。「中学生でも分かるように教えてください」と頼めば、嚙み砕いて説明してくれる。24時間、自分のペースで使える。

テキストを読んで分からなかった概念を、AIに質問して理解できた、という使い方は特に有効だと思います。ChatGPTには学習支援に特化したモードもあります。

過去にはなかった、大きな武器です。今の受験生はぜひ活用してほしいと思います。

勉強のスケジュールと時間の作り方

授業・実習のときから国試を意識する

「国試対策は実習が終わってから」と思っている方も多いかもしれません。

でも私は、授業や実習のときから、常に国試を意識していました。

「今学んでいることは、国試に出る」という前提で勉強する。その場その場で理解しておく。この積み重ねが、後半の追い込みをぐっと楽にしてくれます。

実習中に患者さんの病態を調べたこと、先生に指摘されたこと。そういった経験が、試験本番でふと思い出せる記憶になります。

本格的な対策は実習終了後から

本格的に国試対策を始めたのは、実習が終わってからです。

1日あたりの勉強時間は、多くても2時間程度でした。まとまった時間を確保するのが難しい状況だったので、隙間時間をかき集めるスタイルです。

朝、誰もいない学校のロビーで始業前に数十分。休憩時間は図書室で過去問を解く。この積み重ねが、1日2時間になっていました。

経済的な余裕が、時間的な余裕をつくる

社会人が看護学校に通うとき、仕事をどうするかは大きな問題です。

私は奨学金を活用することで、在学中の仕事をしない選択ができました。これが勉強時間の確保に直結しました。働きながら国試に挑む方と比べると、この差は大きかったと思います。

奨学金や給付金の制度は、学校や自治体によって異なります。入学前にしっかり調べておくことをおすすめします。

クラスメートの存在が、自分の励みになった

同じクラスに、シングルマザーの同級生が二人いました。

一人は発達障害のあるお子さんを一人で育てながら勉強していました。もう一人は、二人のお子さんのお弁当作りや学校のことをこなしながら、毎日学校に来ていました。

「どうやって時間を作っているんだろう」と、本当に頭が下がりました。

自分の状況が大変だと感じたとき、そういった仲間の姿が、自分への言い訳を消してくれました。

介護経験が武器になった科目・苦労した科目

有利だったのは「老年看護学」と「在宅看護論」

介護福祉士として老健で6年間働いた経験は、国試でそのまま武器になりました。

特に「老年看護学」と「在宅看護論」は、知識を自分のほうに引き寄せて考えることができました。教科書に書かれていることが、実際の現場の光景と重なるのです。

ストレートで進学した学生が知識として詰め込むところを、自分はリアルな経験として理解できる。これは、遠回りしてきた社会人の大きなアドバンテージだと思います。

苦労したのは「精神看護学」の制度・概論

意外に思われるかもしれませんが、精神看護学は苦手でした。

特に、精神保健福祉法をはじめとした制度や法律の暗記が苦痛でした。「どうせ自分は精神科には進まないだろう」と思っていたこともあり、なかなかやる気が出なかったのが正直なところです。

ちなみにその科目を教えに来ていたのが、今の職場の看護部長でした。人生、何があるか分かりません(笑)。

国試当日の心構え

社会人には「あれに比べれば」がある

国家試験の本番、社会人も学生も関係ありません。受かるか受からないか、それだけの一発勝負です。

ただ、社会人には一つ強みがあります。

これまでの人生で、緊張してきた場面がたくさんある。就職の面接、資格試験、上司との面談。「あのときに比べれば、なんとかなる」と思えるエピソードを、誰もが持っているはずです。

看護実習もそうです。指導者に厳しく指摘された経験、緊張の中で患者さんと向き合った経験。そういった場面をくぐり抜けてきた自分が、試験会場で急に弱くなるわけがない。

「もし受からなかったら」は考えるな

「もし受からなかったら」という考えは、捨ててください。

受かります。そして看護師になります。以上です。

年の離れたクラスメートと、あの実習を乗り越えてきた。毎日の隙間時間をかき集めて、勉強し続けてきた。そこまで頑張れた自分が、受からないわけがない。

合格は、ゴールではありません。スタートであり、通過点です。

でも、その通過点をくぐり抜けた先に、看護師としての自分が待っています。

まとめ

  • 教材はレビューブックを軸に、見えるシリーズ・問題集・YouTube・アプリを組み合わせる
  • 今の受験生にはAIという強力な武器がある
  • 授業・実習のときから国試を意識して学ぶ
  • 隙間時間をかき集めることが、社会人の勉強スタイルの基本
  • 介護や社会人経験は、知識をリアルに引き寄せる武器になる
  • 「もし受からなかったら」は考えない。受かる前提で動く

社会人として看護師を目指す道は、決して楽ではありません。でも、その経験は必ず試験でも、看護師になってからも、活きてきます。

遠回りしてきた分だけ、あなたには伝えられることがある。そう信じて、前に進んでください。


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