介護士が看護師になって、給料は実際いくら上がったか【実数字で公開】
「看護師になったら、給料は上がるんだろうか」
介護士として働きながら、そう考えたことはありませんか。
私も同じでした。看護師を目指すと決めたとき、お金のことが一番の不安でした。学校に通う間の生活費、資格を取った後の給料、本当に割に合うのか。答えが見えないまま、それでも踏み出しました。
この記事では、介護士時代から現在の精神科看護師になるまでの給与の変化を、実際の数字をもとに公開します。あくまで私個人のケースです。ただ、「実際のところどうなのか」を知りたい方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
結論から言います
介護士時代(2014年)の年収手取りは約314万円。現在の精神科看護師の年収手取りは約404万円。差額は約90万円です。
ただし、この数字だけ見て「じゃあ看護師になれば上がるんだ」と思うのは早いです。道中には、給料が下がった時期もありました。その話も含めて、正直に書きます。
介護士時代の給料【これが出発点】
2014年、介護老人保健施設(老健)で介護福祉士として働いていたころの数字です。
- 月給手取り:約21万円
- ボーナス手取り:約59万円
- 年収手取り:約311万円
夜勤もこなしながら、この水準でした。
一つ補足しておきます。2014年当時と比べて、現在の介護職の給与水準は処遇改善加算の拡充により改善されています。2024年のデータでは、介護福祉士の平均年収は約420万円という統計もあります。私の数字はあくまで当時の一例です。今の介護士の給与については、厚生労働省の賃金統計やハローワークの情報をあわせて確認してみてください。
看護師1年目、給料が下がった【知らなかった事実】
2021年、正看護師として急性期病院に就職しました。
- 月給手取り:約19.5万円
- ボーナス手取り:約41万円(※1年目のため夏のボーナスなし、冬のみ)
- 年収手取り:約275万円
介護士時代より、年収で約36万円下がりました。
正直に言います。当時、介護士時代の給料と比較したことがありませんでした。この記事を書いて、初めて計算して気づきました。「あ、1年目は下がってたんだ」と(笑)。
それくらい、当時は比較する余裕がなかった。社会人学生として学校に通い、国家試験に合格して、やっと就職できた。それだけで精一杯でした。
ただ、初めて給与明細を見たとき、基本給だけで20万円を超えていたことは覚えています。介護士時代は手取りで20万を切ることもあった。だから「基本給でこれか」と素直に嬉しかった。学校に通っている間、生活を支えてくれた妻に恩返しをしよう、子どものために頑張ろう、そう思いました。
急性期フル稼働の給料【残業・夜勤でここまで上がった】
2023年、急性期病院を退職する直前の数字です。
- 月給手取り:約26万円
- ボーナス手取り:約74万円
- 年収手取り:約386万円
入職から2年で、年収は約111万円上がりました。
ただし、これには理由があります。夜勤フル、残業あり、という働き方をしていたからです。数字だけ見れば上がった。でもその代償として、家族との時間は削られていました。
「もっと子どもとの時間を作りたい」。それが、精神科への転職を決めた一番の理由です。
在学中のお金の話や転職のプロセスについては、別の記事で詳しく書いています。
精神科に転職して【年収404万円のリアル】
現在、精神科病院で看護師として働いています。
- 月給手取り:約27万円(夜勤あり)
- 賞与:約4.8ヶ月
- 年収手取り:約404万円
急性期のころと比べて、残業はほぼゼロです。定時で帰れる日がほとんどです。夜勤はありますが、急性期のような過酷さはありません。
介護士時代と比較すると、年収手取りで約90万円のアップです。
参考までに、2024年のデータでは看護師の平均年収は約520万円とされています。介護福祉士の平均年収(約420万円)との差は、現在でも約100万円あります。処遇改善加算の拡充で介護職の給与は確実に上がってきていますが、それでもこの差は残っています。ただしこれは平均の話であり、勤務先・地域・夜勤の有無によって個人差は大きくあります。
それでも思うこと
満足しています。子どもとの時間が増えた。それが転職の目的だったので、達成できています。
ただ、一つだけ正直に書かせてください。
看護師という仕事は、科を問わず、命を預かる仕事です。夜勤もある。体力的にも精神的にもハードな場面がある。それに対して、対価が見合っているかと問われると、正直まだ少ないとも感じています。介護職も同じです。社会に必要な仕事なのに、正当に評価されていない、という感覚はずっとあります。
これは制度の話であり、個人の努力でどうにかなるものではありません。ただ、現実として知っておいてほしい。
まとめ
私の給与の変化をまとめます。
| 時期 | 月給手取り | 年収手取り |
|---|---|---|
| 2014年(介護士・老健) | 約21万円 | 約314万円 |
| 2021年(正看1年目・急性期) | 約19.5万円 | 約275万円※1 |
| 2023年(急性期・フル稼働時) | 約26万円 | 約386万円※2 |
| 現在(精神科) | 約27万円 | 約404万円 |
※1 1年目のため夏のボーナスなし ※2 残業・夜勤フルの数字。額面ベースでは約487万円
長期で見れば、確実に上がりました。ただし、1年目は下がります。学校に通っている間は収入が減ります。道中は平坦ではありません。
それでも、私は看護師になってよかったと思っています。
給料だけが理由ではありません。できることが増えた。選択肢が広がった。遠回りしてきた分だけ、今の仕事の意味が見えています。
お金の不安があるのは当然です。でも、その不安だけで諦めてほしくない。制度を調べ、数字を確認した上で、自分の未来を選んでください。