介護士が准看護師学校に通ったときのお金の話【制度を使い倒した2年間】


「介護士から准看護師を目指したいけど、お金が心配」

そう思っている方に向けて、この記事を書きます。

私は介護福祉士から准看護師、そして正看護師へと進みました。この記事では、准看護師学校時代のお金の話に絞って書きます。正看護師学校時代のお金の話は別の記事で詳しく書いていますので、そちらもあわせてご覧ください。

結論から言うと、准看時代のお金は意外とどうにかなりました。理由は、使える制度をできる限り活用したからです。ただし、制度を知らなければ使えません。この記事が、その「知るきっかけ」になれば嬉しいです。


実は介護福祉士の資格取得もハローワークの職業訓練だった

准看護師学校の話をする前に、一つお伝えしたいことがあります。

私が介護福祉士の資格を取得したのも、ハローワークの職業訓練がきっかけでした。2年間、生活費をもらいながら、学費もほぼ無料で介護福祉士の資格を取得することができました。

当時は独身で、経済的な余裕もありませんでした。それでも制度を知っていたおかげで、資格取得への道が開けました。

制度を知っているかどうかで、人生は大きく変わります。これは、私が身をもって実感してきたことです。


准看護師学校の学費【医師会立は安い】

私が通ったのは、医師会が設立した准看護師学校です。

医師会立の学校は、私立の専門学校と比べて学費が安い傾向があります。一般的な相場は年間30〜48万円程度、2年間で約60〜100万円が目安です。ただし学校によって異なるため、必ず志望校に確認してください。

授業は午後からの数時間が中心でした(学校によって異なります)。午前中が空いているため、働きながら通う方や、家事・育児と両立しやすい環境でした。実習や試験の時期は融通が利きにくくなりますが、看護・介護系のアルバイト先は学生の事情に理解があるところも多く、比較的調整しやすかったです。


退職から入学までのお金

老健を退職し、4月の入学に向けて準備を進めました。

退職後はハローワークで失業給付の手続きをしました。ただし、学校に入学した後は原則として失業給付を受けることができません。失業給付は「就職する意思と能力がある状態で仕事がない人」に支給される制度だからです。

私の場合、退職から入学までの期間は短く、手続きをしたものの、給付を十分に受けられた期間は限られていたと思います。

これから准看護師学校への入学を考えている方は、退職のタイミングと失業給付の関係をあらかじめハローワークに相談しておくことをおすすめします。


在学中の三本柱【貯蓄・妻・バイト】

准看護師学校在学中のお金は、主に3つで賄いました。

貯蓄

老健で働いていた間に貯めていたお金を使いました。正看護師学校の3年間を支えるほどの額ではありませんでしたが、准看護師学校の2年間であれば乗り切れる見通しがありました。これも、准看ルートを選んだ理由の一つです。

妻の支援

准看護師学校在学中に結婚しました。生活費は妻に多めに出してもらいました。妻は介護施設でフルタイム(夜勤あり)で働いており、その収入に支えてもらいました。

正直に言うと、経済的な負い目はありました。でも今は、その分を恩返しできていると思っています。妻のおかげで看護師になれた、という感謝の気持ちは今も忘れていません。

結婚式は家族だけの簡素なものにしたので、費用もそれほどかかりませんでした。

グループホームの夜勤アルバイト

2年間のうち、後半の1年間からアルバイトを始めました。同じ学校の同級生の紹介で、グループホームの夜勤に入るようになりました。

勤務時間は17時〜0時頃。週2〜3回、月数万円の収入になりました。学業に支障が出ない程度に調整しながら続けました。

午後から学校だったので、バイトとの両立はそれほど無理のない範囲でできました。また、老健での介護経験はあったものの、グループホームは初めてだったので、自分の経験の幅を広げることにもなりました。


健康保険・年金【見落としがちな制度】

お金の話で意外と見落とされがちなのが、健康保険と年金です。

健康保険

妻の扶養に入りました。国民健康保険は収入に関係なく一定の保険料がかかるため、扶養に入ることで保険料の負担をゼロにできました。配偶者が会社員・公務員の場合、年収130万円未満であれば扶養に入れる可能性が高いです。

年金

准看護師学校時代は学生納付特例を使いました。これは在学中の年金保険料の支払いを猶予してもらえる制度です。

ただし今思えば、妻の扶養に入っていたのだから、3号被保険者にしてもらえばよかったと感じています。

学生納付特例と3号被保険者の違いはこうです。

制度保険料将来の年金
学生納付特例猶予(後で払う必要あり)追納しないと年金額に反映されない
3号被保険者払わなくてOK(永久に免除)納付済みとして扱われ、将来の年金額が減らない

学生納付特例は、追納すれば年金額に反映されます。追納できるのは10年以内ですが、特例期間から2年を超えると加算金がつくため注意が必要です。私は経済的な余裕がなく追納をしそびれてしまいました。

3号被保険者になれる条件:

  • 配偶者(法律婚・内縁関係を含む)が会社員・公務員(厚生年金加入者)であること
  • 自分の年収が130万円未満であること
  • 同居の場合は配偶者の年収の半分未満であること

注意点として、3号被保険者になれるのは配偶者に限られます。親や兄弟と同居・生計を共にしていても、配偶者でなければ対象外です。

まとめると:

  • 配偶者が会社員・公務員の方 → 3号被保険者を検討する
  • 未婚の方・配偶者が自営業の方 → 学生納付特例を使う

いずれの場合も、手続きを忘れると将来の年金額に影響が出る可能性があります。必ず手続きをしてください。


准看ルートを選んだ理由【遠回りの背景】

正直に言うと、最初から正看護師になろうとは思っていませんでした。

介護福祉士から一段ステップアップするだけでいい、スキルを身につければいい、そのくらいの気持ちでした。経済的な理由も大きかったです。当時の貯蓄は准看護師学校2年間を乗り切れる程度で、正看護師学校3年間を支えるほどの額ではありませんでした。

結果的に遠回りにはなりました。でも経済的には、このルートの方が無理がなかったと思っています。

今思えば、使える制度を全て駆使すれば、介護士→正看護師学校3年課程のルートも十分に選べたかもしれません。准看護師学校を目指していた当時は、奨学金制度や健康保険・年金のことまで頭が回らなかったし、情報収集する手段も限られていました。

今なら、この記事に書いたような制度を事前に調べた上で、より最適なルートを選べると思います。


今から准看護師を目指す人へ

制度はたくさんあります。でも、知らなければ使えません。

今はAIを使って事前に情報収集することができます。自分の状況(既婚か独身か、年収はどのくらいか、どの学校を目指すかなど)を入力して相談してみると、思わぬ方法が見つかることもあります。

ただし、AIの情報が常に正確とは限りません。AIで下調べをした上で、ハローワーク・志望校・卒業生など、生の情報を得ることが大切です。そしてその情報を改めてAIに伝えると、さらに新しい方法が見つかることもあります。

「知らなかっただけで、諦めなくていい」

まず一歩、ハローワークか志望校に相談してみてください。


まとめ

  • 准看護師学校の学費は医師会立なら比較的安い
  • 退職後の失業給付は入学前に確認しておく
  • 在学中は貯蓄・家族の支援・アルバイトを組み合わせる
  • 健康保険は配偶者の扶養に入れるか確認する
  • 年金は3号被保険者か学生納付特例か、自分の状況に合わせて選ぶ
  • 追納は10年以内(2年超えると加算金あり)
  • 制度を知っているかどうかで、人生は変わる

関連記事